トリガーポイント鍼治療とは、
痛みの原因部位に
直接アプローチする治療法です
鍼治療には、痛みの元となる部位に直接アプローチするトリガーポイント鍼療法という治療法があります。当院ではトリガーポイントによる鍼治療を行い、鍼の響きの感覚や鍼技術の確かさで、患者さまの日頃から抱えている痛みやしびれを根治に導きます
トリガーポイント理論
不妊鍼灸における新しいアプローチ
そこ!に届く治療ートリガーポイントについて
トリガーポイントとは、周囲の組織に比べて過敏になっている部分を指します。押したときに通常よりも強い感覚を伴ったり、違和感を感じたりするポイントがこれにあたります。
トリガーポイントにはさまざまなタイプがあり、刺激によって引き起こされる感覚も異なります。
中でも重要なのは、筋肉を柔らかくし、血流を促進する働きがあるポイントへの正確なアプローチです。まるで「そこを押してほしかった!」と思えるような、症状にぴったり合った箇所をとらえることが、効果的な治療に繋がります。
トリガーポイントの感覚は大きく分けて、以下のような段階に分類されます。
・痛みを強く感じるポイント
・深層部にまで響くような感覚があるポイント
・刺激を加えた場所から痛みや違和感が広がるポイント
・痛気持ちいいと感じるポイント
・患者様が症状とそっくりだと感じる、まさに「そこ!」という感覚のポイント(痒い所に手が届くような感覚)
トリガーポイントをどれだけ正確に捉えられるかは、治療者の技術の高さに直結します。当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせ、的確にトリガーポイントを見極めることで、根本的な改善を目指しています。
トリガーポイントが出来やすい部位
トリガーポイントは、主に筋肉の外周部や骨に近い深層部に形成されやすいとされています。
これらの部位は血流が滞りやすく、酸素や栄養の供給が不十分になることで、筋線維の代謝異常が起こり、トリガーポイントが発生しやすくなります。
また、筋肉の起始部や停止部、筋肉と腱が連結する筋腱移行部など、異なる組織が接合する部位は筋肉を動かした時の負荷が集中しやすいためトリガーポイントが形成されやすいと考えられています。
さらに、トリガーポイントの形成にはポリモーダル受容器の関与が指摘されています。
ポリモーダル受容器は、筋膜、腱、靭帯、骨膜、神経膜、脂肪組織など、さまざまな部位に存在するため、これらの組織にもトリガーポイントが発生する可能性があります。
他にも、血流が悪化しやすい部位──たとえば肩関節の隙間(肩関節疎部)などにもトリガーポイントは形成されやすいと考えられています。
また、解剖学的に血管の分布が乏しい組織や、損傷が起こりやすい組織においても、形成されやすい傾向があります。
動きの中で痛みを探る──トリガーポイント治療の考え方
一般的な鍼灸やマッサージなどの治療では、「痛みを感じる場所=悪い場所」という発想に基づいて施術が行われることが多くあります。
しかし、トリガーポイント治療では、これとは異なるアプローチを取ります。
私たちは、動作中に痛みがどのように変化するか──症状が再現されるか、あるいは悪化するか──を「ものさし」として診断・治療を進めています。
例えば、
•肘を曲げたときに痛みが再現される場合、その動きに関わる肘を曲げる筋肉や、逆に伸ばされる筋肉に問題があると考えます。
•腰では、前屈(体を前に倒す)や後屈(体を後ろに反らす)といった動作で痛みがどう変化するかを見極め、関与する組織を推測します。
このため、単に**「どこが痛いですか?」**と尋ねるのではなく、
**「どの動作をすると痛みますか?」という問いかけを重視しています。
動きによって痛みの変化がみられれば、その動きに関連する組織に責任トリガーポイント(責任TP)**が存在する可能性が高いと考えています。
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責任トリガーポイント(責任TP)とは
トリガーポイントの中でも、症状の直接的な原因となっているものを**責任トリガーポイント(責任TP)と呼びます。
責任TPが存在する筋肉や組織は、収縮や伸長させたときに疼痛の誘発や症状の増悪(※しびれ症状は除く)**が起こるという特徴があります。
治療では、この動作に伴う痛みの変化を手がかりに、責任TPを特定していきます。
責任TPは、患者さんご自身が「まさにここ!」と痛みをはっきり認識できるポイントであり、認知覚(症状の認識)を誘発する重要な存在です。
不妊に悩む方へ──トリガーポイント治療を応用した新しいアプローチ
当院の不妊鍼灸は、トリガーポイント治療をベースにしています。
もともとは、腰痛や坐骨神経痛等の治療でトリガーポイント治療を受けた患者様の中に「不妊治療中だったが妊娠できたので、しばらく治療をお休みしたい」と申し出る方が多く見られたことがきっかけでした。
その後、不妊治療に携わるドクターのお話や、さまざまな論文を調べる中で、器質的な異常がない不妊症(機能性不妊)の多くは、血流不全が原因と考えられていることに気づきました。
トリガーポイント治療は、筋肉の緊張を和らげ、局所の血流を大きく改善することを目的としています。この特性が、不妊に悩む方々にとって非常に有効であると確信し、今から7〜8年前より不妊鍼灸への応用を本格的にスタートさせました。
トリガーポイントによる血流改善を通じて、妊娠しやすい身体づくりをサポートしていきます。
当院の不妊鍼灸におけるエコーの活用について
不妊鍼灸を行っている他院では、エコーを使用するケースが増えていますが、当院でもエコーを活用しております。ただし、その使用目的には大きな違いがあります。
一般的なトリガーポイント治療においては、エコーは主に筋膜の状態を確認し、筋膜リリースなどに役立てるために使用されてきました。しかし、当院の不妊鍼灸におけるエコーの使用目的は、血流の状態を可視化することにあります。
婦人科の不妊クリニックでも、子宮動脈の血流状態を確認することは標準的な検査とされています。当院でも同様に血流の状態を観察していますが、治療中に体位変換が難しいため、うつ伏せの状態で**子宮動脈の枝である上臀動脈(じょうでんどうみゃく)**を用いて血流状況を確認しています。
このように、エコーで観察する血流の変化と、医療機関での子宮動脈の血流測定結果には高い一致が見られます。また、鍼施術によって血流が改善される様子をエコーで直接確認できるため、施術効果をより明確に把握することが可能です。
実際に血流の改善が見られると、患者様の体調や症状にも良い変化が現れています。
当院では、エコーを単なる補助的な道具としてではなく、血流動態の変化を科学的に捉え、不妊治療効果を高めるための重要な手段として活用しています。これが、一般的な鍼灸院でのエコーの使い方との大きな違いです。
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