主訴
手首の痛み(ドケルバン病)
現病歴
産後5ヶ月。授乳や抱っこなどの育児動作を繰り返す中で手首の痛みが出現。医療機関にてドケルバン病と診断され、湿布の処方およびサポーターの使用を勧められたが、約5ヶ月間痛みが持続。育児に支障が出ているため、改善を目的に来院された。
運動器検査所見
・母指外転時に疼痛出現
・手関節尺屈時に疼痛増強
上記動作にて症状の再現性あり
視診・触診
視診・触診上、明らかな腫脹や熱感などの異常所見は認められず。
母指外転および手関節尺屈動作にて疼痛が再現された。
評価
症状の再現性および動作時痛の特徴から、長母指外転筋腱周囲および舟状骨骨膜部にトリガーポイントの関与が考えられた。
治療内容
トリガーポイント療法を用い、長母指外転筋腱および舟状骨骨膜に対して鍼治療を実施。
治療経過
1回目:治療直後より症状は約3分の1まで軽減。
2回目:ほぼ痛みは消失し、日常生活および育児動作での支障は大きく改善した。
考察
ドケルバン病は腱鞘炎として診断されることが多いが、本症例では筋・腱・骨膜に形成されたトリガーポイントが疼痛の主因であった可能性が高い。特に育児に伴う反復動作により局所の負荷が蓄積し、疼痛の慢性化につながっていたと考えられる。トリガーポイントに対する鍼治療により、局所の血流改善および筋緊張の緩和が得られ、短期間での症状改善に至った。
まとめ
ドケルバン病と診断された症例においても、筋・腱・骨膜のトリガーポイントにアプローチすることで症状改善が期待できる。特に産後の育児動作による手首の痛みには、的確な評価と精度の高い鍼の施術が必要ですが、適切な治療により早期改善が見込まれる。

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